はちもりたきのふどうそん
八峰町八森字館
菅江真澄の道
- 来訪:享和元年(1801)11月6日
- 年齢:48歳
- 書名:雪の道奥雪の出羽時
- 形式:日記
- 内容:参詣(2度)
- 詠歌:ふりつもる雪より雪のおち来かと 滝ついはなみかかるはけしさ
八森に訪れ、瀑布山天滝寺(現在の白滝神社)に詣でて社の由緒を記録する。
不動堂をたいそう大きく造り、洪鐘に『山本郡八森村別当天滝院』と彫られてある。
堂の左手後方に大滝があり、7尺(約2m)ばかりの剣を二振りm鳥居のように立ててある。
落下する滝の頭には小さな祠があり不動明王を祀る。
《雪の道奥雪の出羽路》
⊞白瀑神社 由緒
今より一千百年前、慈覚大師円仁によって開基された。
滝を見て『世に比類なき霊地なり』として滝に打たれ修行し、
自ら刻んだ不動尊白瀑の北方岩土に安置したのが創建と云われている。
中世には当神社周辺は修行の地として修験道が盛んとなり、
藩主佐竹公の崇敬厚く社参され、社領の寄進等があった。
はじめ神仏習合のため不動社と称されたが、明治に至り白瀑神社と改めた。
同43年旧八森村内の三十社が白瀑神社に合祀される。
御祭神
- 火産霊神(ホムスビノカミ)
- 埴山姫神(ハニヤマヒメカミ)
- 天照大神(アマテラスオオカミ)
- 建速須佐之男命(タケハヤスサノオミコト)
- 大山積姪子神(オオヤマツミノカミ)
- 羽黒大神(ハグロノオオカミ)
例祭日・主な神事
- 元旦祭
- 1月上旬:ドント祭、
- 2月1日:厄払い
- 歳祝
- 七五三参り
- 新穀感謝祭
- 除夜祭(大晦日)
- 8月1日:みこしの滝浴び 午後1時~(宵祭:7月31日)
◆波切り不動さん
⊞波切り不動さん
藩主佐竹公は、白瀑神社を崇敬し自ら社参し社領も寄進し、
また貞享5年(1688年)には青銅三尺の不動尊を寄進している。
しかし白瀑神社は、この参道の入口より山の奥にあるため、
道を急ぎ旅する人々は遥か滝の岩の上にある不動像を目に浮かべ手を合わせるようになった。
いつしか道の傍らにも石の不動像が祀られ、波切り不動の遙拝所(ようはいじょ)となった。
不思議なことに、いつの世の大波も、津波もここの所で止まると言い伝えられている。
(『八森町史』より)
◆真澄図絵
八峰町に数ある滝の中でも迫力ある一瀑です。
8月1日に行われる例祭『みこしの滝浴び』は若い衆が神輿を担いだまま威勢を張り上げます。
菅江真澄の真澄の図絵では滝の前に大きな剣が二振り突き立てられて描かれてます。
現在はその光景はありませんが、当時は迫力のある姿だったでしょうね。
鳥居から距離はありますが、駐車場まで車で行けるので不便はないですね。
たっぷり癒されてください。
◆アクセス
- 駐車場:あり
- 案内板:あり
- トイレ:あり
- 『菅江真澄の道』標柱リスト:リスト外
- 備考:駐車場はとても広いですが、みこしの滝あびの時は満杯になるので一の鳥居手前から歩く必要があります。

滝を見る時はお賽銭も忘れずに。
◆関連
- みこしの滝浴び
- 八森の村
◆参考文献
- 八森町史
- 菅江真澄遊覧記第4巻/菅江真澄 内田武志・宮本常一翻訳
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 秋田叢書 別集3
- 真澄紀行/菅江真澄資料センター
- 国土交通省作成『菅江真澄の道』標柱・説明板リスト
- 各種説明板
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