錦木塚

錦木

にしきぎづか

鹿角市十和田錦木稲生田

 

最終更新:2024/1/30

冒頭のひとこと


🖌菅江真澄の道
  • 来訪:年()月日
  • 年齢:ああ
  • 書名:ああ
  • 形式:ああ
  • 詠歌:ああ

真澄記:ああ

 

見出し

●1度目

  • 来訪:天明5年(1785)8月27日
  • 年齢:32歳
  • 書名:けふのせばのゝ
  • 形式:日記
  • 詠歌:錦木の 朽ちしむかしを おもひ出て おもかげにたつ はじのもみぢ葉

2度目

  • 来訪:文化4年(1807)
  • 年齢:54歳
  • 書名:錦木
  • 形式:日記、図絵

真澄記:

 真澄は生涯に2度、鹿角路の当地に入りこの塚をたずねる。 

けふのせば布》《錦木

見出し
📍[コラム] 標柱データ

前:ああ

ああ

横:

ああ

後:ああ

 あ


◆錦木稲荷神社 由緒

  • 創建:貞享元年(1684)
  • 御祭神:稲倉魂命
  • 例祭日:4月29日
  • 特殊神事:錦木古川大太鼓

 鹿角に伝わる錦木塚伝説は世阿弥の創作に由来するといわれている。

『十和田湖と八郎太郎』『だんぶり長者』と、この錦木塚物語は、鹿角の三大伝説といわれている。


見出し

●錦木塚の物語

 『錦木』『けふの細布』は平安後期歌枕として詠まれ、室町時代には世阿弥によって謡曲『錦木』が作られた。

鹿角は古くより『歌枕の地』として知られ、数多くの貴族や文人墨客によって歌を詠まれている。

⊞ 伝説・錦木塚のあらすじ

 今から千数百年前、都からきた狭名大夫(さなのきみ)という人が錦木あたりを治めていた。

それから八代目の狭名大海(さなのおおみ)には美しい娘がいて名を政子といった。

姫は狭布(けふ)の細布を織るのがとても上手であった。

 

 その頃、草木の里に錦木を売るのを仕事にしている若者がいた。ある日若者は赤森の市で政子姫を見て、心の底から好きになってしまった。

当時、男は女を妻にしたいと思うと、その女の家の前へ錦木を立てるならわしがあった。それを家の中へ取り入れると嫁いでもいいということであった。

 

 若者は錦木を姫の家の前へ雨の日も、大風の日も、吹雪く日も毎日立て続けた。

政子姫は機織りする手を休めてそっと男の姿を見ているうちに若者が好きになっていたが、錦木は取り入れられなかった。

父が身分の違いを理由に反対したためであった。もう一つのわけもあった。

 

 五の宮嶽の頂上に大ワシがすんでいて、付近の村から幼い子たちをさらっていった。

或る時古川で托鉢に立ち寄った旅僧は、若い夫婦がわが子を失い泣いていたのでそのわけを聞き、鳥の毛を混ぜた布を織って着せれば、ワシは子どもをさらえなくなると教えてくれた。鳥毛をまぜた布はよほど機織りが上手でないと作れない。政子姫はみんなから頼まれ、親の悲しみを自分のことのように思い、三年三月の間観音に願をかけ身を清めて布を織っていたのである。

そのために嫁に行くという約束は出来なかった。

 

 若者はそうとも知らずにあと一日で千束になるという日、女の家の門前で降り積もった雪の中でかえらぬ人となった。

姫もそれから間もなく若者の後を追うようにこの世を去った。

姫の父は二人をあわれに思い、若者の亡骸を貰いうけ、千束の錦木といっしょに一つの墓に夫婦として葬ったのだった…。

 

その墓を『錦木塚』といっている。

 

⊞ 世阿弥の謡曲・錦木

 謡曲「錦木」は、錦木伝説を基にして男女の恋を描いた曲である。

 

 陸奥国狭名の里で、女は細布(幅の狭い布)を。男は錦木を売る夫婦にあった旅僧が、売り物の謂れを尋ねると、細布とは鳥の羽を混ぜて織った布で、実らぬ恋慕の情に例えたもの、錦木は女の門に立てて求婚のしるしにする彩色の木だると答え、三年間も錦木を立て続けながら思いを遂げずに死んだ男の錦木塚に案内して二人はその中に消えた。

 

 僧がその跡をを弔っていると夢に二人が現れ、過ちを悔い改める物語をし仏の救いを得た悦びの舞を舞いながら、

はや明け方になって僧の夢は覚めて二人の姿は消えていた、という筋である。

 

 

 錦木塚は、結ばれなかった若者の骸を千本の錦木と一緒に厚く葬ったという。


◆周辺スポット

錦木公園

 公園内には真澄記《けふのせば布》の記録にある錦木5種類の錦木に倣って植栽している。(現在出入り禁止)

⊞ 錦木5種

①楓の木(ハウチワカエデ)

②まきの木(マユミ)

③酸の木(ヌルデ)

④かばざくら(オオヤマザクラ)

⑤苦木(ニガキ)

涙川

 錦木塚伝説に登場する若者が帰り道、涙を洗ったとされる川を涙川という。

涙川とは、現在の根津川、沢尻、松の木、神田の渡し、間瀬川などの諸説が言い伝えられている。

錦木塚展示室

 錦木塚に関する資料を展示している。

見学の際は職員の方に一声かけると見せてもらえます。

⊞ 利用案内
  • 開館時間:午前9時~午後10時
  • 入館料:無料
  • 休館日:年末年始

錦木塚伝説誕生の地・草城神社

  • 創建:貞享元年(1684)
  • 御祭神:稲倉魂命、大己貴命、etc
  • 例祭日:
    • 春祭 5月10日(宵宮9日)
    • 秋祭 10月10日(宵宮9日)
  • 特殊神事:錦木古川大太鼓

鹿角市十和田草木字館ノ下】

 錦木塚伝説に登場する若者が住んでいたとされる場所。

 伝承によると、鹿角三郷士の一人、草木丹後という幻の豪族の住んでいた所で、周囲に堀をめぐらし水を引いて堅めた環壕をもった屋敷跡とされる。

⊞ 伝説 内容


アクセス

  • 駐車場:あり
  • 案内板:なし
  • トイレ:なし
  • 備考:整備中につき公園内立ち入り禁止

関連リンク

  • 歌枕
  • 毛布の渡し
  • 五ノ宮嶽
  • 松の木坂の金精様
  • 鹿角三大伝説
  • 三湖伝説・八郎太郎
  • だんぶり長者

◆参考文献

・菅江真澄遊覧記第1巻

/菅江真澄 内田武志・宮本常一翻訳

国立国会図書館デジタルコレクション

秋田叢書別集第2巻

東国名勝志5巻

・真澄紀行/菅江真澄資料センター

・錦木塚展示室

・各種説明板


取材日:2017/05/29

2022/07/08