筏の大杉


いかだのおおすぎ

横手市山内筏植田表

 

最終更新:2024/1/18

杉まわりの土がとても柔らかい

苔と腐葉土の良い土壌ができている


🖌菅江真澄の道

真澄記:

 『柳ばし 筏村』の章、大堤邑の三十番神社の項に記録。

大杉の風景スケッチの他、正月神事の大松明と奉納相撲の様子を描く。

見出し

 真澄曰く、『この杉を伐ろうものなら、老人のような哭き声が聞こえ、その者には祟りが落ちる』とある。



 特徴的な枝分かれをした大杉は真澄のスケッチでも描かれているが、神社の位置が実際と逆になっている。習合した時に移築したのかも知れない。

なお、正月行事の大松明と奉納相撲は現在では行われていないそうだ。


見出し
⊞ 秋田県指定文化財 天然記念物 筏の大杉(説明版より)

〔指定年〕昭和63年
〔員数〕1本
〔樹高〕43.0m
〔幹囲〕11.8m
 筏の大杉はここに鎮座する比叡山神社の神木で、秋田スギとしては全国有数の巨樹です。
枝張りも最長一〇メートルに及び、大樹の風格に満ち生命感にあふれています。
古記録と『山内村史』によれば、幹囲は
1711(正徳元)年8.6m、
1846(弘化3)年 10.0m、
1910(明治43)年12.7m
と生育したようです。
 樹齢(推定)約千年に達した現在は生長も休止状態にあり、樹木の養生と活性化に努めています。

⊞ 神仏分離以後・比叡山神社(説明版より)

 比叡山神社は天台宗延暦寺との関わりが深く、一ヶ月各日を結番して守護する善神三十座を祀り、 三十番神社とも呼ばれてきました。
神社縁起によると八〇八(大同三)年創建の古社であり、後の一五七五(天正三)年に小野寺景道から 社領三十石を授かり、翌年善美を尽くして「社堂三間四面南向、萱葺に建立」し、 大晦日の夜半、麻柄の松明を二本立て祭礼を営んだと伝えられています。
 現在は大松明と奉納相撲による年(作柄)占いが、元旦(早朝)恒例の神事として行われています。
山内村教育委員会

⊞ 神仏分離以前・三十番神社(説明版より)

 この「比叡山神社」は、神仏分離以前は「三十番神社」でした。
御祭神は一ヶ月三十日を毎日交替して守護してくださる全国著名な三十柱の神々です。
 わが国で「三十番神社」が祀られるようになったのは、平安時代で比叡山の横川に勧請されたのが 起源と言われています。室町時代の中頃から吉田神道の支配に入り、江戸時代は一般庶民にも 信仰が広まりました。
本来の如法華経守護や朝廷守護など七種類あります。
 
『番神縁起論』にある当番日の神様は次の通りです。
一日・伊勢
二日・石清水
三日・賀茂
四日・松尾
五日・平野
六日・稲荷
七日・春日
八日・大比叡
九日・小比叡
十日・聖眞子
十一日・客人
十二日・八王子
十三日・大原
十四日・大神
十五日・石上
十六日・大倭
十七日・廣瀬
十八日・瀧田
十九日・住吉
二十日・鹿島
二十一日・赤山
二十二日・健部
二十三日・三上
二十四日・兵主
二十五日・苗鹿
二十六日・吉備
二十七日・熱田
二十八日・諏訪
二十九日・廣田
三十日・氣田


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COMING SOON・・・


◆アクセス

  • 駐車場:あり
  • 案内板:あり
  • 備考:大杉の柵内立入禁止

◆関連リンク


◆参考文献

国立国会図書館デジタルコレクション

・秋田叢書 第7巻

・真澄遊覧記 第25冊

・真澄紀行/菅江真澄資料センター
・各種説明板
・一部写真提供:ゆったり秋田様


取材日:2017/8/14